股関節の痛み


股関節は両脚のつけ根にあり大腿骨と骨盤を連結している重要な関節です。

私たちの日常生活で立つ、座る、歩くなど繰り返して使う部分です。そこに痛みが生じると生活の中でたくさんの支障が出てきてしまいます。

【股関節の構造】

股関節は、大腿骨の先端にある球形の骨頭が、骨盤のお椀の形をした臼蓋にはまるように組み合わさっています。

骨頭と臼蓋の間には、クッションの働きをする2ミリ程度の軟骨があり、骨と骨が直接ぶつからないようになっています。

さらに股関節は関節包という袋に包まれており、その中は関節液と呼ばれる粘度の高い液体で満たされています。関節液には、股関節を滑らかに動かす潤滑油の役割があり、軟骨表面の摩擦を軽減して関節の老化を防いでいるのです。

また、軟骨内には血管はなく関節液が酸素や栄養を与える役割を担い、軟骨の摩耗を少しずつ修復しています。

このような構造で、股関節は前後左右さまざまな方向にスムーズに動かすことができるのです。


【痛みの原因】

股関節の痛みは、軟骨組織の劣化や関節周囲の筋肉の緊張などさまざまな原因が考えられます。

軟骨組織の摩耗は加齢によるものがあり修復の難しい問題でもありますが、関節周囲の筋肉の緊張やコリは、長時間のデスクワークや歩行距離の少なさ、運動不足など加齢とは別の生活動作が原因になります。

股関節の機能を正常に維持するためには、関節の骨に負担をかけ過ぎないようにしながら、周囲にある筋肉を柔らかくして適度な筋力をつけることが大切です。

【股関節痛の治療】

マッサージ治療は、全身の状態を診て各部の筋肉の緊張やコリをゆるめていきます。

股関節を動かす筋肉には、腰・骨盤・お尻・脚につながる多くの筋肉が関わっています。そのため、足裏が不安定で姿勢が悪い・座りっぱなしでお尻の筋肉が固まっている。運動不足で脚の可動域が狭くなっているなど、股関節の痛みにいろいろな原因が考えられます。

筋肉の緊張を取りながら関節可動域を広げて動きやすい身体に整えていきます。

軟骨組織を守る関節液は、関節の滑膜で作られて関節に力がかかるとしみ出してきます。そのため、関節を動かすことが重要になります。

マッサージ治療で痛みや筋肉の緊張を改善するほか、症状の悪化や予防のために運動指導や姿勢の矯正指導もあわせて行っていきます。

 

鍼治療は、刺激した部分の組織を活性化し、それは中枢神経に信号となって伝わり痛みを鎮静化します。

股関節周辺は多層な筋肉構造になっているため、マッサージの手技では触ることが難しい筋肉の深層部のコリに対して、鍼治療は直接アプローチすることができます。的確に効率よく筋肉の緊張を緩めることが鍼治療では可能なのです。

 

マッサージ、鍼治療で筋肉の緊張がほぐれると血行が改善されて溜まっていた発痛物質を排出することができ、痛みの軽減につながります。

痛みを我慢したり、痛みをかばった身体の使い方に慣れてしまうと、腰や膝、股関節などの骨の変形へと悪化する可能性もあります。

 

すでに変形性股関節症として診断されている方の保存療法にも鍼灸マッサージ治療をおすすめします。

お困りの方はご相談ください。


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