長時間同じ姿勢でいる仕事、日頃からの運動不足、肥満、身体の冷えなどあらゆる生活習慣から腰痛を引き起こす人はたくさんいます。
軽度なものから慢性的なものまで症状はさまざまですが、なかでも重いものを持った時等に急激な痛みに見舞われて動けなくなってしまうぎっくり腰とは急性腰痛症の通称です。
急性腰痛症には下記のような傷病名と症状があります。
筋・筋膜性腰痛(筋肉や筋膜に異常)
椎間関節性腰痛、椎間板性腰痛(背骨の関節や構造そのものに関わる異常)
腰部脊柱管狭窄症(腰部の異常が脊柱管の中を通る神経を圧迫している状態)
椎間板ヘルニア(椎間板から突出したものが神経を圧迫している状態)
仙腸関節性腰痛(骨盤にある関節が異常をきたしている状態で出産後に多い)
など、腰にあるパーツのどこに異常があるかでさまざまに分類されます。
この中でも治療院に駆け込まれる方に最も多いのは、筋・筋膜性腰痛です。
これは筋肉の筋繊維や筋膜に微細な断裂が起き、大きく分類すると怪我に入ります。
安静にしているだけでは治るのに時間がかかり、放置すると悪化するケースもあります。
・歩けないほどの強い痛み
・前かがみや後ろに身体をそらすと痛い
・咳やくしゃみをすると腰に響いて痛い
・ゆっくりなら動けるが体勢を変える時に痛い
腰を中心にさまざまな動作で強い痛みを感じます。
デスクワークや長時間の立ち仕事は、体重を支える腰に過度な負担を強いています。そのため筋肉が硬くなり血行が悪い状態が断続的に腰には起こっています。
仕事や日常動作、姿勢などにより持続的な負担が腰にかかっていたり、運動不足で筋肉が衰えていたり硬くなってしまっている状態の腰への強い力や急な動作が加わり発生することが多く見られます。
湿布や痛み止めで対処し慢性腰痛を放置しておくと急な動作などで急性腰痛症を再発しやすくなり、これが「ぎっくり腰は繰り返す」といういわれです。根本治療、日常生活内での予防と改善が大切です。
触診で痛みの出る動きや原因の特定をして、患部及び患部に関係する部分の治療が必要となります。
痛みの箇所そのものは原因次第で直接刺激しない場合もありますが、マッサージと鍼治療で痛みの軽減を図っていくことが出来ます。
マッサージでは患部周囲の過緊張になっている筋肉を緩めてから、適切な圧力・方向・手技で患部の治療をしていきます。アイシングや消炎鎮痛剤、患部の固定など効果があるものも使用します。
鍼の刺激は中枢神経に伝達され痛みを感じている脳を鎮静化する作用があるため、痛みそのものを軽減させます。筋肉に対しても硬さを緩め、血行を促進して発痛物質の排出を促します。
急性腰痛症は痛みがある間はなるべく間を開けずに治療を続けることを推奨します。痛みの軽減はもちろん、慢性化を予防します。
日常生活内での姿勢や腰を痛めにくい身体の使い方、腰を支えるために必要な腹筋や背筋のトレーニング方法などの指導も行い再発を防いでいきます。
【往診対応について】
ぎっくり腰は急性疾患であり一時的に歩行困難になるケースがあるため、来院できない方のために往診対応をしています。お困りの方は、お問合せください。